血縁関係は最高のスパイス。双子姉妹が絆を見つめなおす物語。「ふたごわずらい」
今回は、桜野いつき先生の「ふたごわずらい1・2巻」を紹介したいと思います。
突然ですが皆さん、姉妹百合は好きですか?姉妹百合って、結構百合の中では一大ジャンルな気がするんですが、好き嫌い分かれそうだなって個人的には思ってます。癖強めですよね(笑)。
この漫画は表紙が好みで、電子版を衝動買いしました。衝動買いをしても、かさばらない電子書籍は神です!
そんな自分語りは置いといて、登場人物紹介に行きます。
ここから怒涛のネタバレです。ご注意ください。
・伊澄アコ・・・学生組(全員高3)のショートカットの子。明るく元気なこまちの双子の姉。
・伊澄こまち・・・学生組のロングでリボンをしている子。大人しいアコの妹。
・上坂雪・・・学生組の真ん中の子。面倒見がいい双子の幼なじみ。
・大沢麻紀・・・教師ペアのロングの人。優しい学生組の副担任。英語教師。智絵とは高校からの親友。
・花園智絵・・・教師ペアのショートの人。美人でスポーツ万能、学校内ではちょっとした有名人。麻紀とは高校時代からの親友。
今回は、姉妹とその幼なじみに焦点を当てます。先生コンビにも言及していると、とんでもない長文になってしまうので、お許しください。
・YOUたち、愛が強いネ…
この作品で一番衝撃を受けた点を挙げるなら、妹こまちの愛の強さですね。妹がお姉ちゃん大好きってよくあるパターンですよね。でもどこかギャグっぽいというか、純粋さがあるんですけど、こまちは湿度たっぷりなのが実にいい…。
雪に、アコのこと好きなんでしょ?と言われてのこの強烈なパンチライン。
この圧倒的迫力。霊圧で押しつぶされそう。
さらにこの子すごいのは、愛を心に秘めてるだけじゃなくて行動で示すんですよね。お姉ちゃんに傷が出来たら、自分の同じ場所を傷つけたり。やべえよ…。
おめえはすげえよ。よくがんばった、たった一人で…。
一方、姉のアコは…
校内で教師とキスなんてロックだな、おい。てか、せめてカーテン閉めよう(案の定こまちに見られてる)。
校内でキスとか桜トリックだけだと思ってたよ。まあこれも全て、こまちへの気持ちをごまかすためだったのですが。なお先生(麻紀)は本気になった模様。
こうして周りを巻き込みながら、双子姉妹は人生初の喧嘩をします。発端は、アコが麻紀と付き合っていることを知ったこまちが、姉の真似をして麻紀に告白したことでした。
そして、その仲裁に入ったのが幼なじみの雪でした。よかった、君は常識人枠なんだね・・・。
あっ、ふーん。ブルータス、お前もか。
ていうか、こういう幼なじみって、姉妹のどちらかに恋する負けヒロイン枠ちゃうんかい!百合漫画界広しといえど、血縁関係になりたがる人は雪だけなんじゃないかな。ていうか、姉妹になりたいってパワーワードすぎるよ。流石のこまちもちょっと困惑してたし。
でも雪の姉妹を愛する気持ちは本物なんだよね。だからこそ、二人と本物の姉妹になりたいと思えるわけで。
そんな雪は、こまちに姉と向き合えるようにアドバイスをします。
めっちゃいいこと言うじゃん・・・。百点満点。僕の中の夏井先生が、直しはいりませんと絶賛している。
そして、雪に背中を押されたこまちと、先生との関係に決着をつけたアコは仲直りに向かいます。その場所は、雪がチケットを手配した遊園地。雪、いい子すぎる。
・姉妹を超えてゆけ
そして、仲直りの瞬間がやってきます。アコは、今まで隠してきたこまちへの思いをぶつけます。それを聞くこまちの表情がまたいいんだ~。この漫画、本当にキャラの表情を描くのが上手い。
好きでいさせてって表現がわがままで素晴らしい。
あ~、尊さで浄化されてゆく~。
姉妹百合はいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ。
後半は、語彙力が退場しました。ごちそうさんです。ちなみに平和な後日談が、電子書籍限定で販売されてます。合わせて読むとよきです。それでは、またお会いしましょう。